毎日たくさんの仕事に追われ、身も心もヘトヘトです。

カウンセラーの回答

力を入れる/抜く、自分でやり抜く/人に振る等、バランス感覚を養いましょう。

はじめまして。カウンセラーの岡本礼子です。
この度はメールでのご相談どうもありがとうございました。

きりんさんの現状・置かれているお立場・仕事に対する誠実な姿勢・責任感がうかがえるとともに、色々なプレッシャーからくるストレス・その能力の高さゆえに求められる仕事内容や責任などが重くのしかかり、身も心も疲弊しきっているご様子が目に浮かぶようです。

きりんさんは、お仕事に対して非常に強い責任感を持っていらっしゃるのですね。会社の仕事を毎日のように家に持ち帰り、どんなに疲れていても“それをやり遂げる”までは決して手を抜かない…。お一人で何人分もの責務を抱え込み、それを黙々とこなしていく。同じ社会人として本当に頭が下がります。

それだけ色々なスキルがあるからこそ、また責任感が強く誠実だからこそ、営業成績もトップで昇進も早くリーダーとしてもご活躍なのでしょう。
もちろん営業で成功するには、ある程度の“営業センス”も必要だと私は思っています。きりんさんはそういったセンスも抜群にいいのでしょうね。

そしてそれに溺れることなくきちんとやるべきことをやっていらっしゃるからこそリーダーといった責任ある立場等も若くして任されているのだと思います。きっと同僚・上司・部下といった職場の人間から信頼も厚いのでしょう。
これできりんさんがイキイキとご自分のペースで働いていらっしゃれば言う事ないのですが・・・。

今のキリンさんは相当なお疲れが溜まっていますね。お仕事の内容を読ませて頂いて思うのは“疲れて当たり前”なくらいご自分を律してお仕事されているということ。

もちろん仕事をするということは一定の負荷を伴いますし、大かれ少なかれストレスも感じることでしょう。でも円形脱毛症が出来てしまうというのは意識の上でも無意識でも相当無理をご自分に対して行っているということですよね。

キリンさんの言われる通り今のままの状態でご自分に対して厳しいままお仕事を続けていけば、きりんさんご自身が崩壊すると言われていることが現実になるかもしれません。

もちろん、タフなきりんさんのこと。このまま今の状況を乗り切ってよりタフに生きていかれることだって考えられます。しかしリスクは少なければ少ないほどいいものですよね。そして選択肢も多ければ多いほどいいに決まっています。

キリンさんが言われている“辞める”というのも選択肢の１つでしょう。ただし今この不況の中きりんさんが打ち込める・やりたいと思われる仕事をする為の転職活動は、現実として大きなリスクはあります。

もちろんアルバイトをして生活していくというのもまた１つの選択ですね。ただし今までキャリアを積んで来られたきりんさんがアルバイトという選択をした時に、また違うストレスが生まれてくるかもしれない、という心配はあります。

そしてまた今の会社で続けていくという選択もあります。これに関しては今のままストレスを溜めたままというのではなく、少しずつ改善していく必要はあるのかもしれません。しかしながら、たとえどの選択肢を選ぶにしろ最低限のリスクヘッジは大切なことだと思うのです。

そこでいくつか提案をさせて頂きますね。

キリンさんは色々な事柄に対し、全てパワー全開で突き進もうというスタンスでいらっしゃいます。それはとても素晴らしいこと。なかなか世間一般の人誰にでも出来ることではありません。でもきりんさんだって普通の人間。決してスーパーマンではないのです。

営業をやられていらっしゃるので、何となく理解して頂けると嬉しいのですが、営業って“終わりよければ…”ということってよくありませんか？要は最終的に数字がいっていればOKだったりしますよね。
それって何も営業のことだけではありません。他の仕事だって同じ事が言えるし、プライベートにおいても同じことが言えるんだと思うのです。

そしてね、営業センスのあるきりんさんだからこそお分かりになると思うのですが、営業にしたってお客様と話す時メリハリをつけて話していると思いませんか？
例えばアポを取る時、クロージングの時などはすごく力が入るけれども、間々のお喋りでは気を抜かないにしても、少しリラックスして会話を楽しんだり…だからこそお客様との間に信頼関係も生まれクロージングが出来、結果成績があがるのだと思うのです。

それは全てにおいて言えること。きりんさんはいつも一生懸命だけれども、もっとリラックスして気を抜ける時は抜いていけると、もっと気持ちに余裕が生まれると思うのです。

それとね、きりんさんは ご自分にとっても厳しい方ですよね。本当にすごいことだと思います。ただちょっと気になったのは、あまりにも“〜するべきだ”“〜せねばならない”というご自分の中での型が決められてしまっているということ。

ご自分の中にポリシーをお持ちになることはとても良い事です。ただしそれによってご自分の首をしめてしまうようなことになっては大変です。

例えば

「疲れて眠たくても仕事をしなければいけない」
「同じ時間内で多くの仕事をしなければいけない」
「この仕事をこなしながら彼氏のご飯を作らなければいけない」
「彼氏のアイロンをしてあげなければいけない」

等など〜頂いたメールをざっと読んでみても、たくさんのご自身の中での制約が出てきているのが伺えます。
（これって心理学でいうとイラショナルビリーフというのに当てはまるんですよ）

さて、これらのことをちょっと視点を変えて考えてみましょう。

「疲れて眠たくても仕事をしなければ！」
と思ったあともう一考。「仕事をしなければとは思うけれども疲れて眠い。この中で優先順位の高いものだけを今やって、あとは明日にまわせるかな？」とかはいかがでしょう？

「同じ時間内で多くの仕事をしなければ！」
これは「同じ時間内に多くの仕事が出来たら素晴らしいけれども、効率を考えて人に振る事もしてみよう」という考えは？

「彼氏のご飯を作らなくては！」
いやちょっと待って…「彼のご飯を作ってあげたいけれども、疲れているから彼と一緒に作ろうかな？それとも順番で彼に作ってもらおうかしら？」などなど。

色々と“こう出来たらベストだけれどこの様に出来なくてもこうしたらいいかもしれない…”といった発想の転換をしてみればいいのです。

こういった訓練はご自分の許容範囲を拡げる訓練にもなります。

きりんさんは今リーダーとしてもご活躍ですね。今の会社をお辞めになるにしろ続けられるにしろ、きりんさんはこれからも部下を持ちご活躍される機会が多いかと思います。リーダー・管理職に必要なことの１つにみんなを上手く調整し、円滑に動かしていくことがあげられます。

その為には今部下がどの様な状況か、モチベーションを上げるにはどうしたらいいか？どうしたら上手く自分の仕事を引き渡していけるか？などといった分析力が求められてきます。

そんな時、きりんさんにまず必要なのはちょっとした余裕。部下に自分の仕事をふって、その結果が自分の求めていたものに少し足りなかったとしても“まぁいいか…次にはもっと上手くやってもらおう！”といった考え方です。

何度も言わせて頂きますと、きりんさんはご自分自身にもとても厳しい方です。そのこと自体は、マネージメントをしていくのにあたって非常に大切なことですし、事実それが出来ていらっしゃるわけですからリーダーとしての資質は十分に持ち合わせていらっしゃるのです。

ただし気を付けなくてはいけないのは、自分に厳しい方は同じ厳しさを周りの人間にも求めがちであるということ。
それはそれで仕方のないことなのですが、それのみがピックアップされてしまうと周りの人も、きりんさんご自身も苦しくなってしまう可能性があるということを考えの中に入れておいて頂きたいのです。

人はそれぞれ違う価値観を持っています。もちろん仕事に対する姿勢や自身の人生においての仕事への比重などもそれぞれですね（仕事をする上で、最低限のラインはあると思いますが）。

その辺のことを少しでも頭の隅に入れておくだけで、もしかしたらきりんさんのストレスを減らすことが出来るようになるかもしれません。

今、きりんさんは体力的にも精神的にも多大なストレスを抱え、心底疲れていらっしゃいますね。人はそんな時、色々な事に関して不安に感じ、同じ事柄でもネガティブに考えていきがちになります。でもね、そんな時だからこそきりんさんには自信を持って頂きたいのです。

実際今の会社にとって“いてくれなければ困る”という非常に重要な人物なわけですし、営業成績にしろ昇進にしろ、きりんさんの実力やキャリアというのは今の現実が物語っていますよね。

１つの会社・仕事で一生懸命出来てなおかつ実績があげられる・評価されるという人は（そして努力をし続けることが出来る人は）、今のお仕事を続けるにしろ転職されて違う会社にいかれるにしろ、それらとは別の全く違う選択をされるにしろ、今のように頼りにされ責任ある仕事や事柄をしていかれるのだと思います。

もちろん不安なお気持ちはわかりますが、それはどんなにタフな人間でも必ずとい っていいほど感じたり持っていたりするものなのです。

だからこそ、きりんさんが少しでもイキイキとご自分の実力を発揮出来、能力を活かすようにする為には、少しでも不要なストレスや疲れは取り除いていった方が賢明ですよね。

その為にはきりんさんの視点を少し変えて物事に対する色々な考え方をもう少しだけ柔軟にしていくこと、周囲に対して“振る”という作業をもう少し円滑にしていくこと、ご自分が感じている事や負荷がかかりすぎている事に対して“自分でどうにかしなくては！”という責任感と同時に“少しお願いしてみようかな…”“今の自分をわかってもらいたいな…”という感覚を持ってみること等されてみると相当余裕が出てきて、今以上にきりんさんの実力が発揮されるのでは？！等と考えてしまうのですがいかがでしょうか。

仕事やプライベートにおいて妥協を許さない、何事も誠実に一生懸命努力する本当に素敵なきりんさんですが、どうぞご自分の事を追い詰め過ぎないように、たまには“息を抜く”という作業をあえてしてみるといいかもしれませんよ。

仕事においてもプライベートにおいても気合いを入れたり気を抜いたりといったメリハリはとっても大切。今のきりんさんが“バランス力”をもっと伸ばしていくことが出来たら、きっと鬼に金棒です。

今後どのような選択をされるにしろ、今のきりんさんの考え方・姿勢プラスちょっと違った角度からの視点・バランス力のアップをしていけば、ストレスも減り、より充実された毎日が送れるのでは…と思っております。

きりんさんが、本来のタフなきりんさんとしてイキイキと過ごすことが出来ますよう、心より願っておりますし、陰ながら応援しております。

それでもなお多大なストレスをお感じになったり、何かしら大きな迷い・壁にあたり悩まれるような事がありましたら、どうぞご遠慮なくメールなりお電話なり下さいね。

メールでのご相談どうもありがとうございました。