通勤が苦痛です。特に電車はきつく感じます。

繊細さは、弱いことでも悪いことでもない

MUERAカウンセラー(以下MUERA)：通勤がしんどいと感じてしまう自分がダメなのでは、と考える方もいますがそうではありません。むしろ、通勤がしんどいと思う感性は健全だと思います。

例えば「繊細さん」と呼ばれるHSPの方は、基本的に人混みが苦手です。自分以外の他人の不安を、自分の不安と切り分けられずに感じてしまう特徴があるからです。駅や電車の中など様々な人がたくさんいる場所は、人の感情がジャングルのようになっています。たとえ自分は前向きな気持ちでいたとしても、電車の中にいる誰かの強い不安や怒りやストレスなどの感情が自分の中にドロッと入ってきてしんどくなってしまうことがあります。

電車から降りて仕事場に行けば、他人と物理的に離れるので自分を取り戻せるのですが、密室状態の中で色々な方のネガティブな思いを吸収してしまい、その体質が故に通勤がしんどくなってしまっている可能性が考えられます。

対策としては、HSPの傾向がある方はまずはご自身の体質を認識することです。大体の方は、HSPだと認識してしまうと、自分は弱く繊細で仕事ができなくなるのではと思い込みがあります。繊細さは、弱いことでも悪いことでもありません。

繊細さんは、感性を使う仕事にとても役に立ちます。感受性が強いと他人が気が付かない些細なことまでケアでき、それは仕事でも活かせます。しんどいことはあると思いますが、弱さではなく個性、これがあるからこそ仕事が上手くいく、と肯定的に捉えてみましょう。

通勤が苦痛でも、電車を降りた後に、少しでも自然のある場所を歩くとエネルギーは変わります。感受性が強いと、悪いことも良いことも吸収しやすいからです。

空気の良いところに行くことや、自分がリラックスする音楽を聞くなど、周りの人と同調しないようにすることで、自分の世界を守ることができます。

次に、HSP体質ではない場合の可能性として、通勤時間が自分の過去のトラウマや悲しみと重なってしまっているケースがあります。

例えば、人がたくさんいる場所で嫌な思いをした、幼い頃電車で怖い思いをしたなど、昔の出来事が未解決のまま自分の中に残っている場合、電車に乗ることで、記憶として蘇るというより、体感として未解決の感情が疼くことがあります。

対策として、イヤホンで音楽を聞きながら電車に乗ったり、混んでいる時間をずらしたりすると、一時的に解決するかもしれません。ですが、違う場所で同じことが繰り返されるなど、根本改善にならない場合があります。

根本改善の一つとしては、イメージワークを使う方法があります。さくらさんは、電車に乗ることにリンクする記憶で嫌だったことはありませんか？

自分がまだ幼く若い時、大人よりも無力だと感じている時に起きてしまったこと、その時のことを思い出してください。電車に乗るとまだ同じことが起きるのではと、潜在的な恐怖がトラウマになっているかもしれませんが、今はもうその時の自分ではありません。子どもの時に嫌だった体感を再現し、それを大人の自分で感じると、ふっと楽になる瞬間があります。

楽になったところで記憶を書き換えていきます。その時は怖かったかもしれないけれど、大人になった今なら適切に対処できるはず。今ならそんなことは起こりえないとご自身の中で整理できるようにサポートします。この方法で楽になり、劇的に変化する方は多いです。

メリットデメリットは、同じ数だけ出すのが重要

さくら：転職以外の方法で、解決策があればアドバイスが欲しいです。

MUERA：今の生活を続けることのメリットとデメリット、そして転職した時のメリット・デメリット、両方を5個づつくらい書き出して、自分の中で整理しましょう。

メリットデメリットは、同じ数だけ出すのが重要です。そして本当はどうしたいか感じてみましょう。

例えば、嫌なことは通勤だけではないかもしれない、普段は見過ごしてしまうような自分の中の本音に気が付くことがあります。

その上で、負荷が強い場合は転職を勧めることもあるし、色々工夫することで今のしんどさを解消し続けられる場合もあります。この後、ご自身でやってみてください。それでも悩みが出てくるようであれば、またご相談くださいね。