知らない男性から性的対象にされ男性が怖くて仕方ない

春野　みどり

• 臨床心理士
• 公認心理師

パートナーとの関係や娘の不登校の悩みから臨床心理学を学び始める。カール・ロジャーズの人間性心理学がベースで精神分析やユングからも影響を受ける。

心療内科、精神科クリニックを経て公立・私立の中学高校、医療センター附属の看護学校のスクールカウンセラーを長年務める。と同時に、”表現アートセラピ―　創造性に開かれるプロセス”（ナタリー・ロジャーズ著）を読み衝撃を受け、表現アートセラピ―研究所（東京）主催のトレーニングコースを3年かけて修了し、表現アート・セラピストの認定を受ける。

その後、学校（生徒や教職員）、障害者施設や高齢者施設（当事者やスタッフ）、公共施設（職員）、一般向けなど様々な領域で研修やワークショップを提供してきた。大学や各種専門学校で非常勤講師として心理学、家族相談、アートセラピーなども教えていた。

『教職員研修におけるアートセラピー』（立命館大学人間科学研究所）『表現アートセラピ―の実践と考察』（表現アートセラピ―研究所）『The Creative Connection for Groups』（ナタリー・ロジャーズ著）を現在共訳中。

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カウンセラーの回答

自分が安心できる場所や人に意識的に触れてみてください

凧さま

大変怖くて辛い経験をしましたね。でも親御さんの「早く逃げろ！」という言葉どおり逃げることができ本当に本当によかったですね！！　

若い女性を手当たり次第にねらって性のはけ口にしようとする卑劣な男性に不運にも出会ってしまったため、知らない男性に対して、男性は性欲しかないと感じられ、男性が怖くて仕方ないというのはもっともだと思います。友人の方も同じような体験をされたということですから他にもっと被害者がいるかもしれませんね。女性をばかにしているとしか思えない、とても悲しい悲しい現実ですね。

今はあの時の辛い経験の記憶がどうしても拭い去れない状態だと思いますので、凧さまができることとしては恐怖で傷ついた心を癒すために、できるだけほっとする場所や安心できる人に意識的にたくさん接してほしいということです。

安心できる場所に行ってみたり、女性や男性にかかわらず世の中には安心できる人がいるという安心感というものを体で感じることをたくさんしてみるのです。動物でも樹木や植物でもかまいません。さらに楽しいこと、嬉しいことなどもしてみるのです。これは自分で自分をケアしてあげるということですが、こうしたことを意識的にやってみましょう。

でも、いまいちよくわからないな〜というときは、臨床心理士という心の専門家に相談してみるのも一つだと思います。一度ネットで検索して調べてみることをお勧めします。

男性全てが女性を性の対象としてしかみないというわけではありません。女性を人間として尊重してくれる誠実な男性もいっぱいいます。このことは信じてくださいね。

でももし今後恐怖や不安、あるいは無力感を感じたり、選択の自由がなくなるような体験をした場合、「嫌だ！」とはっきり言ったり、凧さまがされたように一目散に逃げたり、大声をだしたり、近くにいる人に助けを求めたりするのがいいと思います。そして家族や友人に勇気を出して話し相談し、受け止めてもらい、できれば警察にも連絡しておくのがいいでしょう

自分がほっとできる”安心感”や、自分は自分でいいのだという”自信”、そして自分の行動は自分で決めるという選択の”自由”がだれにとっても生きる上でとても大切です。これを少し難しい言葉でいうと人権ともいいます。

凧さまの男性に対する恐怖心という心の傷が早く治りますように、そして凧さまの人権が大切に守られますように心からお祈りしています。