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買い物依存症の妻に困っています、助けてください。
助けてください。
今日テレビ番組で「買い物依存症」という病名を聞いて、もしかしての気持ちでネットで調べて見ましたが、妻がその病気のような気がして助けを求めています。
自分は飲食店で働いてまして休みは週一しかないのに、休みの日は必ず妻に連れられて買い物に出かけます。
しかも驚くのは妻は買いたいものを全部チェック済みなところです。
しかも主なデパートの品揃えを把握しています。
いくら買っても満足な気分がないようです。
何回かは買い物で喧嘩もしたこともありますが、全く効果がないです。
ズボンを買ったら、翌日は上着が欲しいと言い出すんです。
一回5万のネックレスが綺麗だったよと言われて、買わなかったですが、一ヶ月も風邪なような症状を訴えまして、結局は「5万のネックレス買ったら三ヶ月は何も買わないんだよ」という条件付で買いましたが、三日後にまだ、綺麗な洋服見つけたよと言い出したのです。
先生どうすればいいですか? 買い物し過ぎで今カードローンが200万円近くあります。先生助けてください。
(ニックネーム: チー)
男性
27歳
2010年5月11日
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カウンセラーの回答
奥様の後始末をしないで、冷静に対処しましょう
チーさま
はじめまして、カウンセラーの瀬尾真一郎と申します。
このたびはご相談ありがとうございます。
チーさんのご相談内容を読ませていただきました。
奥様がいくら買っても満足されない。高価なものを買ったらのだからしばらくは買わないようにという約束をしても全く効果がなく「買い物依存症」ではないかとのことで、なんとか止めてもらいたいと悩んでおられるのですね。
テレビ番組で「買い物依存症」という言葉を聞いて、奥様がそれに当てはまる気がするとのこと。
チーさんはそれ以前から奥様の買い物に対する行動に不安なものを感じていたのではないでしょうか。
なので、テレビで見て何とかしなければという気持ちになられたのでしょうね。
これからのことを考えて「なんとかしたい」、「このままではマズイ」と実際に行動に移そうとされていることはとても大切です。
奥様が病気ではないかとの心配と、お金の問題でもあるので今後の生活にも影響があるのですから、気になっていてもたってもいられない様子が伝わってきました。
さて、チーさんの奥様は実際に次々に買い物をされていること。
後先考えられず買い物を止められない様子ですので、「買い物依存症」だと思われます。
カード払いによる責務超過におちいる人は年々増加の傾向にあるようです。
お金を使って買い物をすること自体は必要不可欠です。ただ、自己の不安感、孤独感、空虚感を「買い物によるハイな状態」で埋めていこうとすることや、買ったものを使わず次々に買い物を続けることは病的です。
一時の陶酔とカード払いにおける負債の現実を繰り返すことになり、心身ともに疲れていきます。
これからどうすればよいのか、一緒に考えていきたいと思いますのでよろしくお願いします。
チーさんのお休みは週一回なのに、毎週必ず奥様に連れられて買い物に行くのですね。
お休みの日は家でのんびりしてリフレッシュしたり、趣味や自分の時間も欲しいと思います。
それでもチーさんは奥様のために買い物に一緒に行かれているのですから、奥様思いの方なのだと感じました。
一方、毎週では付き合わされることにもしんどいと思いますし、奥様に主導権を握られているようで自分のことが後回しにされているようにも感じられているのではないでしょうか。
だとしたら、奥様優先の生活なのに、それでも買い物が止めてもらえないことに無力感でいっぱいになっているのだと思います。
奥様が買いたいものを全部チェック済であることにも驚かされたし、常に買いたい物のことを考えていることにも不安になっているのではないでしょうか。
主なデパートの品揃えを把握されているのですから、買っても買っても満足できず頻繁に足を運んでいる状態なのですね。
何回かは買い物で喧嘩もしたことがあるとのことですが、全く効果がなかったことで、あきらめの気持ちになっているのでしょうか。
奥様が洋服や装飾品に興味をもつことは個人の自由だと思いますが、買い物をすることはお金がかかる問題ですので、個人の自由というわけには行きませんね。
私の家でもデパートに一緒に行くと、必ず嫁さんは服や靴など見に行きます。
そしてあれが欲しいなぁ。これもいいなぁと言いながら、買おうかどうしようかと迷っているようです。
私から見ると同じようなデザインの洋服や靴があるにも関わらず、買うのは無駄だと感じてしまいますが、聞いてみるとサイズが合わなくなった、同じ商品ではない、これからの季節に必要だなど、なんやかや言いながら買われてしまいます。
それでも、家計のやりくりがあるのでお互いに欲しい物と買えるものを考えて、我慢することがほとんどですが、私の場合は買い物に付き合うだけで結構ストレスを感じたりします。
チーさんは自分の休みを削ってでも奥様と買い物に行かれるのは、奥様とうまくやっていきたいという思いがあるからこそ付き合われているのだと思いますがいかがでしょうか。
通常は欲しいものを手に入れて使うために買い物をしますが、買い物依存症の人は使わなくても買い物をします。
それは買い物をする行為自体が目的だからです。
買い物を止められない背景には寂しさや空虚さがあります。
買い物をすると気持ちが元気になり、さびしい生活を忘れさせてくれます。
その快感を求めて買い物を繰り返すのです。
買い物中は支払いのことは頭に無いので、結果として借金地獄や自己破産に陥ることもめずらしくありません。
多くの高揚感
店員からチヤホヤされ高価なものを進められると気分が高揚し不快な日常を忘れられ る。
↓
良い子になれる
店員に勧められるまま買うことで自分が良い子になったような優越感得られる。
↓
罪悪感
店を出た途端、自己嫌悪になり支払いをどうしようと現実に戻って罪悪感に苛まれる。
しかし後悔してもまた買い物に出かける
うつ気分をはらそうとして買い物をする場合もあります。
買い物をするとセレブな自分になったような高揚感が得られて気持ちが明るくなるのですが、うつな気持ちの根本的な解決にはならず、買い物ができなくなるとうつな気持ちは悪化します。
買い物依存は自分の行動がコントロールできない「コントロール障害」とも言われる生き方の病です。
止めよう止めようと思いながらも止めることのできない悪い習慣にふけってしまうことを「アディクション(嗜癖-しへき)」といいます。
アディクションにはそれを支える人がいます。
その支える人をイネーブラーといいます。
簡単に言うと、巻き込まれ(借金の返済や暴力)など被害に遭いながらも助けたいと思って間違った援助をしてしまい、結果的に病気の進行に手を貸してしまう人のことです。
メールを読ませていただいた限りでは奥様はチーさんと一緒に買い物に行って、結果的に買いたいものを買ってもらっているわけですから、買い物の手助けをしていると考えられます。
チーさんからしたら、奥様の買い物のお金を払うという後始末をやりたいわけではないけれど、ネックレスを買わなかったら一ヶ月も風邪のような症状を訴えられたとのことなので仕方がなかったのだと思います。
しかし、その状態が続く限り奥様は買い物を止めないでしょう。
チーさんはそのイネーブラーという立場にはまっているのかもしれませんね。
まずはチーさんが奥様の後始末をしないことが大切です。
具体的には次のような対応が考えられます。
①不要な買い物は止めるよう奥様にお願いする。
カードローンが200万円になっているので、本当に必要な物以外は買えないと奥様に宣言したうえで、止めるようにお願いしてください。
チーさんが、「仕方がないなぁ、今回だけは」と許可してしまうことは禁物です。
②クレジットカードは解約する
クレジットカードは現金を持たないので感覚がマヒします。便利な反面、お金を使っているという感覚がないので買い物依存症がますます進みます。
クレジットカードを解約することをお勧めします。
どうしても必要なものがあればチーさんが管理するようにして下さい。
③奥様と距離をとる。
休日は奥様と買い物に行かないようにする。
このままの状態が続けば、いずれ借金で首がまわらなくなり、自己破産や家庭崩壊など日常生活で不都合なことが起こる可能性があります。
奥様を突き放すことも必要だと思います。
冷たく接するという事ではないのです。
チーさんはこれまでずっと奥様の買い物の手助けをしてきました。しかし、それが依存症を進めてきたのであれば、愛情を持って徹底的に奥様の買い物の手助けをしないことです。
奥様は自分ではにっちもさっちもいかなくなり、自分が置かれた現状に少しずつでも危機感を感じ始めると、問題に向かい合って回復していこうという意識が生まれてきます。
その事で自分の陥っている依存から脱却するために本気で止める決心をすることが大切なのですから。
厳しい事を言うようですが、そのためにはチーさんも、しんどい思いをすると思います。
その覚悟を持つことが大切なのです。
なぜ、今まで買い物に付き合わなければならなかったのでしょう。
なぜ、奥様の要求に応えなければならないのでしょう。
なぜ、買い物を拒否できないのでしょう。
それは奥様の為ではなく、チーさん自身が安心したかったのかもしれませんね。
しかし、借金で首がまわらなくなることは結局、チーさんも奥様も困った事になるのですから、奥様の買い物に対する要求に応える必要はないのではないのです。
なぜチーさんは奥様の買い物を断れなかったのかということも考えてみてくださいね。
買い物依存する背景には奥様のストレスや夫婦の間で忙しいためのすれ違いによる寂しさなどがあります。
奥様の話をゆっくり聴いてあげて、そのうえでチーさんの思いも伝えてみて下さい。
奥様はどんなことが楽しいでしょうか。
チーさんはどんなことが楽しいでしょうか。
どんな事を言ってくれて、どんな事をしてくれるとうれしいでしょうか。
どんな夫婦関係を作っていきたいでしょうか。
説得やアドバイスするという姿勢ではなく、見守っているよという気持ちで接することが大切です。
ほ とんどは、普段のたわいもないことをうなずいて聞いてくれるだけで安心するものです。
それでもだめなら精神科、神経科、心療内科、メンタルクリニックに行ってみたり、
買い物依存症の自助グループもあるので、参加してみてもよいかもしれません。
奥様を大切に思っているチーさんなら一緒に乗り越えられると思います。
チーさんと奥様の幸せを心から願っています。
最後まで読んでいただきましてありがとうございました。
瀬尾真一郎