言いたいことがうまく伝えられない
お悩み種別職場のコミュニケーションの悩み
人間関係・仕事・メンタル・片思い・不倫・性など…周りの人に相談しにくいお悩みや不安に、毎回人生経験豊富なカウンセラーが回答します。
今回は、職場のコミュニケーションに関するお悩みに、仕事・キャリアについての相談を得意とする松田たけおカウンセラーがお応えします。
今回のお悩み
私は26歳、入社4年目の正社員です。仕事には慣れてきましたが、会議の時や上司へ報告する時にうまく話がまとまらず、だらだらと話してしまうことがあります。そのことを特に男性の上司から注意されることが多く、悩んでいます。何か良い改善方法はありませんか?
かなこ(女性 26歳)
男性と女性で脳の使い方が違う?それぞれの特徴を活かしたコミュニケーションとは
松田カウンセラー(以下松田):かなこさんのような悩みは、たくさんの女性が感じている悩みです。
そもそも男性と女性は、脳の使い方に違いがありコミュニケーションの方法にも特徴があります。
男性は、結論を先に知りたい、状況を見極めて危険を回避しようとする、損得・数値・問題点を指摘する、などの特徴がある「問題解決型」の人が多いです。
一方女性は、プロセスを語りたい、紆余曲折、語りながら思考を整理していく「共感型」の人が多い傾向にあります。
共感型の人からすると「(問題解決型の人は)先ばかり急いで、なぜ私の気持ちをわかってくれないのだろう。」と思うかもしれませんが、問題解決型の人の特徴を理解していれば相手を責めることや不安も少なくなるでしょう。
一方で問題解決型の人も、共感型の人の話は遠回りになりがちだと理解していれば、ゴールを予め一緒に設定したり、会話の途中で時々話の要点を質問したりすることで、共感型の人に「私のことを理解してくれている」と感じてもらいながら自分の欲しい情報を得ることができます。
問題解決型の考え方も、共感型の考え方もどちらも大事なことなので、その特徴を上手くコミュニケーションに生かしていくと良いと思います。
かなこ:なるほど。私は共感型ですね。
共感型の私でも問題解決型の人にわかりやすく話をする方法はありますか?
松田:あります。元々の思考回路は共感型だとしても、問題解決型の思考回路を意識することが大事です。
それには上司への報告や会議の前に、次のようなテンプレートの順番に沿って、考えを整理しておくことをおすすめします。
1. 目標・ゴール
2. 1を目指す理由・目的
3. 課題・問題
4. 解決するためのプロセス
5. 実行方法
慣れないうちは、このテンプレートの順番に沿って考えを書き出してみてはいかがでしょう?まずは可視化してそれを徐々に話し言葉にしていく。
書いて、目で見て、声に出し、耳で聞いて感じるプロセスをやってみるといいですね。
これを習慣にして繰り返すことで、思考のパターンが無意識に落としこまれ、普段の会話でも自然と問題解決型の人に伝わるように話せるようになっていきます。
上手くいくと、それが成功体験になり苦手が得意に変わることもありますよ。
会話がなかなか続かない時は無理をしなくても大丈夫
かなこ:まずは、書いてみることからですね。最初は時間がかかってしまいそうですが、明日から早速始めてみたいと思います。
ちなみに、上司にだらだら喋るなとあまりにも注意されるため、話すのが怖くなってしまっていることがあります。
例えば、会議後に上司やメンバーとの雑談になった時などに、変な事を言わないようにと気を遣ってしまい、会話が続かなくて困ることがよくあります。
松田:そういう時は無理に会話をしようとしないでも、相手の話を聞いているだけでもいいですよ。
話をしっかり聴いているということが伝わると、相手は安心感を持つようになります。
相槌を打つ・大きくうなずく・相手の話を短く要約するなどして、相手にあなたの話に関心・興味があると伝える姿勢が大事です。
かなこ:相手も話さず沈黙になってしまう時は、どうしたら良いですか?
松田:そういう時のためには、自分の中で使いやすいフレーズをいくつか決めておくことがおすすめです。
例えば「今日も勉強になりました」と伝えると謙虚な姿勢が伝わりますし、「今日の会議で気になることは何かありませんか?」「今日の私の報告はわかりやすかったでしょうか?」などの疑問形の言葉だとフィードバックしてもらえるきっかけにもなります。
フレーズの引き出しが少ないうちは、すぐに言葉がでてこないこともあると思いますが、だんだん慣れてくるとスムーズに会話ができるようになってきますよ。
かなこ:言葉をいくつか決めておけばいいわけですね。上司への報告でも会議後の雑談でも、事前に準備しておくと徐々にでも上手くできるようになる事がわかって少しほっとしました。
ありがとうございました。
松田:仕事の場でのコミュニケーションは、最初は難しく感じるかもしれませんが、テンプレートに沿って事前に考えをまとめておくことで落ち着いて話ができるようになっていきます。
それを繰り返すことで自然と臨機応変に対応できるようになってきますよ。
時には上手くいかない時もあるかもしれないけれど、若い時は失敗も経験のうちだと思って。
良い経験をさせてもらっているという感謝の気持ちを忘れずにがんばってみてください!
今回のカウンセラー
松田 たけお カウンセラー
商社・建築・金融機関情報センターにて法人・個人営業、顧客対応、人事評価制度改革、新人教育、広報、新卒・中途採用、新規事業、経営管理の一部などのキャリアを歩み、エキサイトお悩み相談室は2021年で9年目となります。