「許せない」ことが悩み

カウンセラーの回答

ルールは人を許すためにあるのかもしれません

夏海さん、はじめまして。
カウンセラーの伊吹と申します。
こちらにご相談いただき、ありがとうございます。

まず、〜な人が許せない。。。ということで夏海さんは
真剣に悩んでいるからこそ、こちらにご相談メールをいただけたのではないかと思い、短い文章の中にも夏海さんの思いを強く感じ、感動しています。

特に、素晴らしいと感じた部分は「許せない」というところです。そこで悩まれているということは、夏海さんはどこかで「許したい」と思われているのではないかと感じたからです。

許したいのに、許せない。。。だとしたらそこで葛藤する心を夏海さんは抱え、今までとても辛い思いをされてこられたのではないでしょうか。
そんな自分をどうか悪いとか、断定的な言葉で責めたりせずに、まずは、許したいのに許せないんだよな。。。そんな白でも黒でもない言葉で、ご自分の心の葛藤部分を抱きしめてあげてほしいのです。
なぜならそこには、夏海さんの道徳心、正義感、責任感、理想、良心。。。たくさんの良い面があるのだと私は信じているからです。

遅刻をする人、約束を守らない人、平気でうそをつく人。。。そういう人たちが悪い！と批判したくなる心は誰にでもあります。
ただ、もし夏海さん自身が誰かを批判的な目で見たり、あるいは批判的な言葉を投げたりした時があった場合、そんな時、夏海さんはどのようなお気持ちになりますか？
決して気持ちのいいものではないと思うのですが、いかがでしょうか？
もしかしたら、そんな厳しい心の部分が自分自身に向かい、ただただ、ストレスを抱え込んでしまうだけ。。。ということになっているかもしれませんね。ただ批判するだけに留まってしまうのはとても苦しいことです。

ですから、他人を「批判したい」気持ちより、「許したい」という自分自身の心の「良心部分」を見つけ出し、活用していってほしいのです。そんな部分を活用してこそ、夏海さんの持ち前の正義感や責任感、道徳心が更に生きてくるのではないでしょうか。

「良い」とか「悪い」などの価値判断だけで他人を見るのではなく、「理解したい」「理解しよう」という気持ちを優先し、人と関わりをもった方が、自分の為にも人の為にもなるのではなかと私は思うのです。

「遅刻する人」を対象に見た場合、何故遅刻をしたのだろう？
と、「遅刻をしたというその人の行動」は一旦置いて、その人をもう少し理解してみようかな〜。と歩み寄ってみるのも一つの方法です。
「約束を守らない人」を対象に見た場合、約束を守ることが何故大切かということを、言葉や行動で相手に教えてみる。相手が解るまで、情熱を持って接してみる。
「平気でうそをつく人」を対象に見た場合、平気な顔をしてうそをつかなければ、その場にいられない理由があるのかもしれない。など、〜かもしれないという言葉を用いて、ご自分の想像力を働かせてみるのもいいかもしれません。

上記の例は、ご参考までに。もし夏海さんが、今よりもう少し許せない人に歩み寄ってみようかな〜と思われたときに、よろしかったらやってみてください。

人の数だけ、考え方や価値観があります。だから、ある人にとっては約束を守るということが大切だということが解らなかったり、ある人にとっては、それがとても困難な人もいるのです。

夏海さんの周りの人は、遅刻をしたり、約束を守らなかったり、平気でうそをつく人を、許せているとのこと。一度その人たちに「なぜ許せるのか」ということを理解しようという姿勢でじっくりと聴いてみるのもいいかもしれません。夏海さんの未知な部分を知るチャンスだと思います。

きっと夏海さんは、厳しいルールの中で忍耐力を身につけ、大切なことを学んでこられた方なのでしょう。どうか積み重ねてこられたご自身の今の力を信じ、ルールを守ることの大切さを、まだそれを知らない人達に教えてあげてください。そこには、新しい発見があるかもしれません。

そんな未知な自分を知ることに楽しみを見出すことができれば、今より更に、夏海さんが輝いていくのではないかと私は思います。人は奥深く、美しいものだと私は信じています。

厳しいルールの中で耐え抜いた人だからこそ、伝えられる真実がある。何もかも初めから完璧にこなせる人など、いないはずだから。正しさを主張することほど、難しく美しいものはないと私は思います。

どうかありのままの夏海さんで、これからも誇り高く生き抜いていってください。
心からエールを送ります。
メールをありがとうございました。