突然、何もかも嫌になる時があります
お悩み種別人生相談
人間関係・仕事・メンタル・片思い・不倫・性など…周りの人に相談しにくいお悩みや不安に、毎回人生経験豊富なカウンセラーが回答します。
今回は、人生に関するお悩みに、人間関係のご相談に対する知識や経験が豊富な伊藤憲治カウンセラーがお応えします。
今回のお悩み
私には妻・子どもがいて親も健在と、幸せなはずなのですが、突然何もかも嫌になる時が1ヶ月に1度くらいのペースであります。家族のために頑張りたいと思っていますが、突然全て嫌になり逃げ出したくなる衝動に駆られてしまいます。この気持ちは、仕事へ向かう時に感じることが多くあります。このような状態は何かの黄色信号なのでしょうか?このような気持ちにどう対処すれば良いのかわからず悩んでいます。
てつや(男性 42歳)
環境・感情・行動がループしている3つのサイクル
伊藤カウンセラー(以下伊藤):心理学で使われる言葉に「Fight or Flight」という表現があります。人間は極限近くまで追い詰められると選択肢として、戦う(ファイト)か逃げる(フライト)しかなくなってしまうということです。
何もかも嫌になり逃げ出したいということなので、かなり精神的に追い詰められている可能性が高いと思います。
ただ、感覚的に1ヵ月に1回という頻度ならば、例えば仕事で1ヵ月に1回上司に詰められるタイミングがあり、それが嫌で逃げたくなるというパターンもあるかもしれません。
仕事へ向かう時にその症状が出やすいのであれば、仕事に対するストレスが考えられますよね。なにかしら追い詰められている状況や、仕事上のトラブルでストレスを感じていることはありませんか?もしくは、継続的にプレッシャーを感じるハラスメント的なものとか。
その仕事のストレスがどのような問題なのかによって、解決できるのか・できないものなのか考えていく必要があると思います。
また、こういった状況はどのくらいの期間続いていますか?
この症状が始まった期間が短いのであれば身体的な疾患が疑われるでしょうし、ある程度中長期的に続いているのであれば、精神的なものという疑いがでてきます。
仕事に行く時に突然何もかも嫌になるという症状以外に、日常生活の部分で支障をきたすようなものがあるかどうかもポイントになります。
そのポイントとは、1日6から7時間きちんと眠れているか、食欲はあるか、などです。もし、そのような支障が日常生活でも出るような症状がある場合は、病院へ行かれることをおすすめします。
人間には、環境から感情が反射的に生まれて、感情から行動に移して、行動から新しい環境に戻る、というように環境・感情・行動がループしている3つのサイクルがあります。
つまり、環境が変わると感情が変わります。
自宅から職場へ環境が変わった時に感情は変わるので、例え家庭が円満だったとしても辛い状況になることはあります。抑うつ状態が強い場合、より逃げたいという感情が増すこともあるので、振り分けがすごく難しいご相談にはなりますね。
例えばご家庭では上手くいっているけれど職場では上手くいかない場合、単純にストレスの場合もありますが、ご自分と職種が合っていないことも考えられますよ。
できる限りお互いの感情が落ち着いている時に話しをする
てつや:この気持ちを妻に相談しても良いのでしょうか?
伊藤:相談することは、悪いことではないと思います。パートナーとできるだけ共有することは大事なことです。ただ、相談するタイミングは重要ですね。
例えば、てつやさんがストレスを抱えすぎてしまっている時や、奥さんが育児で疲れて余裕がない時など、お互いが感情的になっている時に話をすると、関係が破綻してしまう可能性があります。
できる限りお互いの感情が落ち着いている時にお話することをおすすめします。安心できる環境下で、リラックスしてお話できるといいですね。
また、毎日のように相談すると、奥さんがストレスを抱えてしまうこともあると思うので、ある程度てつやさんの状態に合わせながら、頻度は考えて相談した方が良いと思います。
本当に行き詰ってどうしようもない状況の時は、奥さんに話して解決できる問題ではなくなっていることがあるので、その場合はできるだけ早く病院へ行くのをおすすめします。
ただ、病院に行くとなると事前に奥さんに話すことも必要になると思うので、いずれにせよ奥さんの状況を見ながらが良いですね。
てつやさんの場合、症状が1ヵ月に1回とのことで、頻度として多くはないので、まずは自分の気分が良い状態の時に、奥さんと話してみてはいかがでしょうか。
てつやさんは奥さんが話しやすい環境を作ること、奥さんは感情的にならないようにしておくこと、これは普段から男女間で守っていた方が良いルールです。
そういう話せる環境があるのであればストレートに伝えればいいでしょうし、そういう環境にないのであれば「相談したいことがあるから今度食事でも行かない?」と、事前に告知をした上で話した方が良いと思います。
今回のカウンセラー
伊藤 憲治 カウンセラー
年間約3,000件を超える豊富なカウンセリング経験や相談実績があり、性格や行動から細かく分析し不倫、復縁、職場でのストレスなど人間関係全般のお悩みをご一緒に紐解きます。