人の目を気にして嫌われないように色々考えてしまいます。

荘司　正則

【経歴】
上場企業に２２年間勤務し、20代から部下の育成に携わり、３０代半ばで管理職となるが、ストレスやプレッシャーから、次第に眠れない状況に陥り、自分とは無関係だと思っていた「うつ」に直面し７ヶ月休職。そこで初めて生き方を見つめ直す機会を得る。

復職して１年後、退職し、日本メンタルヘルス協会で心理学やコミュニケーションを学び、公認心理カウンセラーとなる。
また、CTNでコーチングも学ぶ。子育てに関しての体験談を、コーチの岸英光氏の著書「弱音を吐いていいんだよ（講談社）」に掲載していただく。

２００９年より、様々な組織や企業、公務員、子育て中のお母さん、PTA、教育関連、福祉施設関連、その他多種多様な方々に、職場や家庭、身近な日常ですぐに役立つコミュニケーションやメンタルヘルス、サーバントリーダーシップに関する講演、研修、コーチングを行い、アンケートの結果、90%以上の方々から満足と感謝の言葉を頂いている。

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カウンセラーの回答

心の拠り所を作って、本当の意味で常にポジティブで笑顔の自分になりましょう。

りーなさま、
初めまして。カウンセラーの荘司正則と申します。

みんなからのイメージはポジティブで常に笑顔で悩みがなさそうと言われるけど、実際は人の目を気にして嫌われないように色々深く考えてしまうこと。
友達のちょっとした一言で、自分の中ではとても考えてしまうこと。
嫌われない覚悟も大事なことは分かっているけど、人に嫌われるのが怖くて人から好かられるように考えて過ごしてしまうこと。
何回も直そうとしたけど、思うようにいかなくて、どうしたらいいか分からなくなっていることが相談内容から伝わってきます。

最初に、今、抱え込んでいるこの問題を何としたくてこちらにご相談頂いたと思うのですが、何とかしたい、乗り越えたいという思いと、実際に行動に移したその勇気と行動力は素晴らしいです。
その思いと行動を、今、これからへと繋げていくために出来ること、そして止めた方がいいことを考えていきましょう。

まず、止めた方がいいことですが、他人の目を「気にし過ぎる」ことです。全く気にしないとそれもまたいろんな問題が出てきます。相手の反応を見て自分を振り返ることで気づけることもありますから。
しかし、気にし過ぎると、どんどんエスカレートしていきます。最初は一人のちょっとしたことを気にしていたのが、次第に二人、三人の目を気にして、顔色を伺っているうちに混乱していきます。
嫌われないようにしようといろいろ考えて、相手の気に入る行動を取ろうと思っても、それは相手の、その時の思考や感情によって変わることです。その時々で、相手によって違うかもしれないことに対して、相手がどんな反応をするかを瞬間瞬間で考えて反応していくのはとても困難で、それが、増えれば増えるほど混乱し、疲労困憊状態に陥ることは想像に難くないと思います。

また、常に相手の目を気にしていると、相手によって対応や態度が変わり、相手や周りに不信感を持たれることがあります。
それが、信頼関係に影響を及ぼすこともあります。あなたは、相手が人によって態度が変わったり、対応がコロコロ変わったらその人を信用出来ますか？

とはいえ、止めたくても止められないから困っているのだと思います。
嫌われるのが怖い。
これが、あなたを現状に留めている要因だからです。


そこで、今、これから出来ることとして、次のような考え方を取り入れてみませんか。
不偏、普遍、不変の原理・原則に基づく生き方にする。時代や国、地域によらず、偏らない、全てに共通する、そして変わらない考え方を、今、これからの人生に組み込むということです。

文字にすると難しそうですが、実際は、例えば、困っている人がいたら手を差し伸べる。自分が尊重されたいなら、そうして欲しいように相手と接する。立場や地位、規模の大小によらず、相手を尊重する。人によって態度を変えない。相手を大切に扱うのと同じように自分を大切に扱う。常に感謝を忘れない。嘘をつかない。自分が、されて嫌なことはしない。（よくブーメランの法則とか言われますが、相手をぞんざいに扱うと、やがてそれが回り回って自分に返ってくるというようなことの例えですね。）
これらは、ほんの一例に過ぎませんが、このような極々当たり前のことを、実際に、自分の人生に組み込んで生きる。
誰かに、何かに反応するのではなく、主体的に生きる。

このような考え方や生き方は、もちろん私が考えたものでもないし、特に新しい考え方でもありません。知っている人にとっては、当たり前なことで、改めて書くほどでもないことでしょう。
しかし、知らない人にとってみれば、それこそ価値観ががらりと変わるほどのインパクトがあるかもしれません。

このようなことについて書かれている本がたくさん出ています。ベストセラーになっているものや、昔から読まれ続けているもの、世界の偉人の名言なども物事の本質を短い文章であらわしているし、インターネット等で高い評価のものなどを参考にしてみるのもいいでしょう。
ふらっと立ち寄った本屋さんで、何気なく目に入った本を手に取ってみると、今のあなたに必要なものが見つかるかもしれません。もちろん、電話でご相談いただければ、あなたにお勧めの本をご紹介することも可能です。

これを実践していくと、自分の中に一つ芯が出来ます。心の拠り所と言い換えてもいいでしょう。揺るがない心。それがやがて他人に左右されない、自分自身の土台となります。
すると、徐々に主体的に考え行動出来るようになる。他人に左右されにくくなる。心が安定し平穏になる。心の拠り所が出来る。自 信が持てるようになる等々。丈夫な土台が出来ると、多少の風雨（困難）ではビクともしなくなります。
そうなれば、もう人の目を気にしたり、誰かの一言に考え込んでしまうことは圧倒的に少なくなるはずです。


ただし、注意点として、何かに書いてあるからとか、偉い人が言っていたからとか、誰かの話を鵜呑みにしないことです（私のこの文章もです）。
あなたが、これは良さそうと感じたことを、実践してみて、実際に効果があったこと、あるいは、これは役に立つと心の底から思えることを取り入れるようにしてください。
そして、自分だけが、物事の考え方の中心にいるというような考えにならないように、相手には相手の考え方がある（尊重）ということも心に留めておいてください。そうすることで、しなやかな考え方、固執しない柔軟な考え方も併せて身についていきます。

あなたがもし、このようなことをすでに知っているとするなら、知っているだけで行動に移さなければは何も変わらないということも、「当たり前」のことです。
そして、知っている知らないに関わらず、先入観や偏った印象（バイアス）を手放して、フラットでクリアでニュートラルな、子供のころの澄んだ目で物事を見るように意識してみてください。
このようなことを継続し続けていくことで、平穏で安定して揺るぎない心で周りを照らし、常にポジティブで笑顔で、本当の意味で嘘偽りのないあなた自身になるのではないでしょうか。

最後に、それでも迷ったり悩んだり、考え込んでしまうことがあるかもしれません。そんなときは、「私たちの『より良い未来の中心』から今を見つめる」という視点を頭の片隅に置いておくと、人生のどこかで役に立つと思います。

りーなさまが、今起きている困難な状況を乗り越え、今これからの自分と未来を切り拓いて行けることを願っています。